カルシウムと聞くと骨や歯にしか関係がないと思いがちですが、
実は高血圧にも関係があるカルシウム。高血圧とカルシウムの関係について、図解付きでご紹介したいと思います。
この記事の目次
・知っておきたい、全身に対するカルシウムの割合とは?
・血管の収縮がキッカケで引き起こす高血圧
・カルシウムが血管壁に付着。流れが悪い血流が引き起こす高血圧
・吸収率の悪いカルシウムを効果的に体内に吸収するには。
・カルシウムを多く含む調理に適した食材とは?
知っておきたい、全身に対するカルシウムの割合とは?
まず始めに全身にあるカルシウムの内、骨に99%のカルシウムが蓄えられ、骨以外の血液や筋肉、血管などに1%が含まれていると言われています。
全身にあるカルシウムの1%の内、血液中のカルシウムが不足すると、骨に蓄えられたカルシウムが血液に流れ出し、不足するカルシウムを補う働きがあります。この血液に流れ込むカルシウムの働きが、高血圧と深く関わってくるのです。
血管の収縮がキッカケで引き起こす高血圧
骨に蓄えられたカルシウムが血液に流れ出した際に、血液中だけではなく血管に関する筋肉にもカルシウムが浸透します。
浸透すると筋肉が収縮を起こし血管の内側が狭くなってしまい、狭い血管内を血液が流れるため、血液が流れにくい状況が生まれ、結果として血圧が高くなってしまいます。
カルシウムが血管壁に付着。流れが悪い血流が引き起こす高血圧
もう一つ、カルシウムが高血圧を引き起こす原因として、血液中のカルシウム不足が長引くと、血液内のカルシウムを補おうと骨からカルシウムが継続して流れ出るため、血液中のカルシウム濃度が上昇し、濃度が高くなったカルシウムが血管壁に付着してしまいます。
カルシウムが付着して血管が硬く(石灰化)なると、動脈硬化になってしまい、高血圧を引き起こします。
吸収率の悪いカルシウムを効果的に体内に吸収するには。
カルシウムは体内での吸収率が悪く一番吸収率が良い「牛乳」でも50%ほど。
カルシウムはビタミンDと一緒に摂取すると吸収率が高くなると言われ、食材の中でビタミンDは青魚やきのこ類や卵類に多く含まれています。
クリームシチューを作る場合に牛乳をルーに混ぜて使いますが、具材にマッシュルームやエノキやシメジなどのきのこ類を入れるとカルシウムの吸収率を上げるため、ぜひ一緒に調理したい食材です。
またエノキと卵の炒め物を作る際には、溶き卵の中に少し牛乳を加えるなど、一工夫すると同時にカルシウムとビタミンDが摂取できそうです。
なお紫外線を浴びるとビタミンDが体内で作られるので、外出して散歩など運動をすることで紫外線を適度に浴びるのもいいようです。
ちなみに紫外線を当てて作った天日干しをした食品。例えばキクラゲや干し椎茸、しらす干し、アジの開きやイワシ丸干しなどは、生の状態よりもビタミンDが増えた食品になります。しかし、しらす干し、アジの開き等は塩分量が多いので注意が必要です。
カルシウムを多く含む調理に適した食材とは?
厚生労働省が推奨する一日辺りのカルシウム摂取量は700mgで上限は2300mg。少なすぎも摂りすぎも問題のようです。
日常の食生活で気軽に摂取が行いやすい、カルシウムを多く含む食材は、どのような品があるのでしょうか?カルシウムを豊富に含んでも、ナトリウムが多すぎる食材だと意味がありません。比較的ナトリウムが少なく、カルシウム含有が多い食材で、日常生活で調理に向いている食材を選んでみました。
厚揚げ240mg、大豆240mg、豆腐(木綿)20mg、納豆90mg
海藻類
ヒジキ(乾燥)1400mg、カットわかめ(乾燥)820mg
乳製品
低脂肪牛乳130mg、ヨーグルト120mg、普通牛乳110mg
きのこ類
きくらげ(乾燥)310mg
野菜類
切り干し大根(乾燥)540mg、水菜200 mg、小松菜150mg、チンゲン菜120mg
木の実類
ごま1,200mg、アーモンド210mg
和食レシピとしては、ヒジキや茹で大豆、切り干し大根で作った「お煮付け」、豆腐や小松菜、胡麻を和えて作る「白あえ」や洋風・中華レシピでは「牛乳とチンゲン菜の煮込み」や「キクラゲとタマゴの炒め物」等は、カルシウムを取りやすい料理ではないでしょうか。